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代表挨拶

ご挨拶

giron

農村幹部との農業の現状について議論

シードアフリカは、アフリカの貧困農家が自らの手で貧困から脱却するために必要となるきっかけ=種(シード)を全力で提供します。アフリカの貧困問題にとって、「農業開発」は大きな課題です。貧困問題を解決するには、かつて日本も体験したように、第1次産業(農業)と第2・3次産業がバランスよく成長する必要があります。

農業生産性が高まり、余剰労働力が他産業に吸収される形で日本も高度成長を遂げることができました。アフリカでも同じことがこれから数十年のうちに起こります。

アフリカ農業は、天候・市況・インフラ・電気・水・人口希薄等の様々なリスクを背負っている一方で、非効率な農業習慣からグローバル市場における競争力が低いため、一般に民間資本が入り難く、国際・政府援助に頼っているのが現状です。更に、アフリカの人口は急激に伸びてきており、農業生産性改善による食料自給率の改善は、これ以上の飢餓を防ぐ意味でも、貴重な外貨を流出させない意味でも優先して取り組むべき課題だと考えています。

我々は、多くのアフリカの農村で政府や国際援助によって提供された農業機材の残骸を多く目にしました。農民は少しずつ貯めた貯金を村で持ち寄り、高価な農業機械を政府から購入しましたが、直ぐに壊れ、修理部品が高価であるか見つけられずに、捨てられていました。国際社会から寄付された農業機械も同じ目にあいました。援助では、農業機械が台無しになるだけでなく、貴重な貯金まで無くなるため貧困農家の置かれた状況は上向くどころか悪化することさえあることを実感しました。

資本の少ない貧困農家が農業生産性を上げる為には、政府と農業機械メーカーは農業機材を売ることしか考えませんが、資本が少なく教育レベルが低い農家の実態を考えれば、維持・運用を会社側で行うレンタルビジネスモデルがあるべき姿だと考えています。同じ発想で、輸送手段や農作物加工機械やそれを融通する資金までシェア・レンタルすることで、農家はコストを下げながら収入を伸ばすことができます。

シードアフリカは農業分野で社会的インパクトを最大化しながら、利益を生むことで投資を呼び込み、事業をアフリカ全土に拡大していきます。アフリカの農業分野で、これまでの援助主体の開発ではなく、民間投資による持続的な開発が可能であることを示したいと思います。1人でも多くのアフリカの農民が貧困を脱却し、希望のある未来に羽ばたくことに一助となればこれ以上の幸せはありません。

小川 徳和(おがわ のりかず)

SEEDAFRICA (シードアフリカ) 株式会社 CEO

シードアフリカが信じているもの What to believe

サブサハラ・アフリカ全体では総労働力の60%が農業部門に従事しており、その割合が80%を超える国もいくつか存在している。さらに、そのうちの80%は貧困層だといわれている。

彼らの所得水準・生活水準に改善がなければ、高成長によっても貧富の差が拡大するだけで貧困問題は解決されない。つまり、アフリカの貧困を軽減するためには何にもまして農民の所得向上が図られなければならず、その施策なくしてアフリカの貧困問題は根本的には解決しないということである。

しかしながらサブサハラ・アフリカにおいては新しい労働投入を比例的な生産増加につなげることができておらず、労働という生産要素の投入増加が生産性を押し下げてしまう「収穫逓減」という現象が働いている。

これは、農村人口が増え続ける中で1980年代以降の経済苦境に追いつめられるようにして自給用穀物へと労働投入がシフトし、移動耕作の周期が徐々に短くなって、地力を落としながら限界地に向かってさらに外延的拡大を強いられてきた結果である。

それはまた、不安定な農業所得をリスクヘッジするための農外所得依存を生み、農業の非専業化を促した。非専業化が進むと特化による分業の利益が発揮されないから、農業の生産性向上はますます阻害されることになる。外延的拡大と副業化は双方とも、農業生産性の向上にはマイナスに働く

また穀物の需給ギャップは急速に拡大しており、穀物生産量が少なくとも20%程度増大しなければ、サブサハラ・アフリカは食糧自給すら達成できない。早急に対策を講じなければ穀物輸入負担はますます重くのしかかり、アフリカ経済をさらに圧迫することになる。

しかし現状ではアフリカの穀物生産は外延的拡大の余地を使いはたし、収穫逓減の様相を呈し始めている。アフリカ経済にとって喫緊の課題である食糧穀物の増産は土地生産性の向上を図る以外に方法はないのである。


また、サブサハラ・アフリカにおけるフォーマルセクター製造業の異常な高賃金は、低い経済成長率・農業生産性の低さによる高い食料価格(つまり経済成長率が低いがゆえの資本装備率の高さと、低投入低収量農業がもたらす食料価格の高さ)の二つの要因によってもたらされている。すなわち低開発そのものが高賃金の原因なのである。


低開発は低所得と同義だが、これは低価格低コストを意味するものではない。低開発とは所得が低いだけでなく、生活コストも高いということである。したがって、製造業部門に投資を呼びこむためには製造業と農業とのあいだに固着している貧困の連関を打破するほかない。そのためにまずなされなければならない政策は、高賃金体質を放置したまま輸出加工区を創出することでも、投資法を改正することでもなく、足下で衰弱し続けている食糧生産農業の強化であるといえる。


「アフリカ問題 開発と援助の世界史」平野克己著からの抜粋・要約